La petite Parisienne 1

今回はラ・プティット・リゾート ストーリーをご紹介いたします。
petite はフランス語で「小さい」の女性形。 可愛らしいと言う意味も込めています。
このシリーズではヨーロピアンリゾートの息吹きを感じる瀟洒でコンパクトな大きさの建物のデザイン設計をご提案しています。
第1回目として、ラ・プティット・パリジェンヌ からご案内いたしましょう。

la petite parisienne
まず、パリやその周辺の地方の建物の特徴についてお話します。
色合いは、外壁はクリームベージュ、アイヴォリー、屋根はチャコールグレーがベースです。 外壁はその地方から採掘されたライムストーンから成ります。 屋根はスレート瓦です。
屋根の形はマンサード屋根と呼ばれる寄棟2段勾配の構成が典型的で、急勾配の部分に屋根裏階のドーマー窓(仏語でlucarne)が設けられます。 また、l’oeil de beuf (訳すと牛の目)という小さな楕円型の窓もよくお目みえします。
ヨーロッパは北部は屋根が急勾配で、雪があまり降らない南部では緩勾配となります。 急勾配の屋根とその屋根裏はとても魅力のある空間を作り出します。 ラ・プティット・リゾートシリーズでは日本の斜線制限や高さ制限をクリアし、また予算も考慮して屋根勾配はほどほどに調整してあります。
窓については、もともと石造において日光をより多くとるため、また、天井高もあるため、細長い(縦長の)プロポーションです。 開口部上部は、やはりもともと石造故、アーチを構成していたり、中央にキーストーンが入っています。 そして、厚みのある壁の窓は内側に開きます。 日本は降雨量も多く、雨が横に降りつけ、外開きの窓ですが、ヨーロッパでは上からしとしと、まっすぐ降ってくる違いがあります。 また、イギリスや北欧、北米ではダブルハング(上げ下げ窓)がよく使われますが、フランスやイタリア、スペインではあまりファサードに見かけません。 観音開き窓の両側に鎧戸がつけられ、パリや周辺地域では2枚に折りたたまれ、壁の厚みの中に納まっていることが多いです。
窓の並ぶリズムやバランスはファサードの美観において非常に重要になってくるので、常にプランや断面と同時進行でファサードを設計デザインします。
そして窓下に華やぎを与えているのが、ロートアイアンの手摺や石のバラスターです。 ロートアイアンは繊細かつ流麗な曲線を描き、とても洗練されたデザインの職人芸の鍛鉄です。 残念ながら、コストを安くするために中国で作られるものはなかなか洗練の域には達していません。 
ラ・プティット・パリジェンヌでは、日本にいながらにしてパリとその周辺地域の建物に滞在しているかのように楽しんでいただけるよう、その特徴や風合いをとり込んだデザイン・設計をご提案しています。
それぞれ敷地固有の条件やお客様固有のご要望に合わせてプランニングいたします。
ご興味をもたれた方はアトリエ アマルフィターナまでお問い合わせくださいませ。