french resort story 記事一覧

La campagne resort story 1

今年の気候を振り返ると、暑くなったり寒くなったり、変化の大きい天候が続きましたね。
これからようやく落ち着いた秋の季節を楽しめるといいのですが。
さて、これまでに、ロワール川流域のシャトーやパリの街並みに見られる、チャコールグレーのスレート屋根に方形のライムストーンの石積み壁、南フランスのテラコッタ丸瓦屋根に漆喰、または、丸っこいラフな形の石のランダムな石積み壁、ノルマンディーやアルザス地方でよくお目にかかる木組みの壁の建物たちをご紹介してきました。
今回はラ・カンパーニュ リゾートストーリー編です。
カンパーニュはフランス語で「田舎」と言う意味です。
都会から離れて豊かな自然に囲まれたのどかなフランスの田舎家のイメージをピックアップしてみました。
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外観にどこか中世の面影が漂います。
屋根は赤茶で一枚、一枚むらのあるフラットな瓦、二勾配で、ツンとした尖がり帽子のよう。
壁は角のとれた石積み。1、2階と屋根裏階からの構成。
内部は木造屋根トラスはそのままにリノヴェーションして、吹き抜けとロフト階のあるアンティークさとモダンが融合したおしゃれな空間になっていたりします。
ふと、フランスの画家アンリ ル・シダネルのバラに囲まれた田舎家の絵が頭に浮かんできました。
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緑ある新鮮な戸外の空気を吸いながら庭のテラスで食事するのがフランス人の大好きな習慣。
豪華な建物も魅力的なものですが、ひなびた温かみがあって、緑の木々や草花に囲まれて見え隠れするこじんまりとした建物も味わいがあり、ほっこりした気持ちになりますね。
ヴェルサイユ宮庭園の離れに田舎家群を造らせたマリー・アントワネットは優れた美的センスの持ち主たったなぁ、と思います。
では、次回はラ・カンパーニュ リゾートストーリー スケッチ編をアップいたしますね。

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Colombage resort story -sketch1

2017年がスタートしました。 
いったい、この一年どんな年になるでしょうか?
どんな年にしたいか抱負を持って、そちらの方向に少しづつ歩んで行くことが大切ですよね。

さて、梅の蕾もそろそろ綻びだした今日この頃ですが、お天気の良い日はお陽様に向って嬉々としているようにも見えます。
これから一層寒さが増して行く折り、今回は春のうららかな陽射しの中の淡い緑を思い浮かべながら、コロンバージュリゾートストーリーのスケッチを描きました。

colombage1

前回の記事にても触れましたが、中世からあるコロンバージュ、木骨造の建物はフランスの国内のあちこちで見ることができます。 特に多く見られるのが、ノルマンディー地方やアルザス地方です。
木部の彫刻や斜め材に見られるデザインはその地方によってヴァリエーションに富み、味わい豊かな職人芸を楽しむことができます。
古い建物を修復・保存する歴史は長く、伝統を再現する職人達がその腕を継承してきているのです。
日本で言う古民家に相当するわけですが、やはり解体して移築することが可能です。
普段、都会で生活していると、工業生産の部材で構成された直線だらけのビルに取り囲まれた景色がが当たり前になっています。
しかし、自然界には厳格に長く伸びる直線は水平線等を除いて、それほどないのがもともとで、自然な曲線やアーチを作ってバランスをとっています。 
正確無比の直線構造は人間が創り出した人工的な世界であり、個人的には、どこか縛られているような気がして、時々解放されたくなることがあります。
なので、コロンバージュの建物ような、手作りの温かみ、少し曲がった形、自然な歪み、朽ちたでこぼこ感、ハンドペイントの剥げや色褪せ、等々にほっとし、経年による魅力を感じます。
もちろん、そこにはベースに洗練されたセンスもあることは言うまでもありません。
カントリースタイルと聞くと若干洗練されていないものも想像できますが、「お洒落な田舎家」が多いのがフランスの地方らしさとも言えます。
そして、かつてフランスの画家ル・シダネルが愛したように、柔らかな曲線を描くつるバラが壁面に這う姿がよく映える建物でもあります。
コロンバージュの家のテラスにて、カフェテーブルでコーヒーでもいただきながら、のんびりバラを愛でる休日を過ごすのも素敵ですね。
アトリエ アマルフィターナでは、そんな優雅な休日を過ごしたい貴方のために、コロンバージュリゾートと名付け、木組み意匠を採り入れたフレンチな設計デザインのご提案をいたしております。
ご興味を持たれた方はメール、お電話にてお問い合わせくださいませ。

それでは今年も、皆様にとって素晴らしい一年となるよう、お祈り申しております。

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Le colombage resort story 1

今年の9月は台風がたくさんやって来て大変でしたが、10月も半ばとなり、ようやくお天気が落ち着いてきましたね。
そろそろ秋バラのシーズンとなります。
自宅の庭でもちらほら咲き出しまして、「バラって秋も咲くんですね?」と、よく前を通りかかる方から聞かれます。
そうなんです。 種類によりますが、近年はバラの品種がどんどん改良されて、冬まで繰り返し咲くバラがだいぶ増えました。 春ほどにぎやかに咲きませんが、それでも曇りの日など、一輪でもぱっと華やかな彩りのバラが咲いていると辺りを明るくしてくれます。
しっとりした芸術の秋には絵画を鑑賞したくなるものですが、私の好きな画家の一人にアンリ・ル・シダネルがいます。
パリから北に行ったジェルブロワという村に居を構えてバラに囲まれた建物のある風景画を沢山描きました。

le-sidaner1le-sidaner2le-sidaner3上から
les roses sur la maison 1917,
la place du Puits à Honfleur 1921,
Vieille rue au crépuscule à Gerberoy 1929 collection privée

構図の取り方も素晴らしいですが、一日、そして季節の変化の中で微妙に移ろい行く光が建物や辺りに反映された幻想的な世界に感動します。
鮮やかな色彩をつくり出す南フランスの光とはまた違う、北フランスの柔らかな光と空気や湿度のようなものが感じられます。

colombage exampleそして、絵に登場している木組みの家。
木組みはフランス語でコロンバージュ colombage または pan de bois と言います。
パリから離れて地方に行くと、いろいろな所で見かけることができますが、特に、ジェルブロワも近いノルマンディー地方周辺とパリから東に行ったドイツ国境に近いアルザス地方に多いです。
木組みの間に種々の壁材を詰めて壁を形成しているのですが、レンガをいろいろなパターンに積んでいるものもあります。 また、斜材の入れ方もヴァリエーションに富み、各木部材に職人芸の腕が見られ、表情豊かです。
colmar-alsace一番下はアルザス地方、コルマールの街並み。 典型的な木組みの家の姿が見られます。
木骨造ですが、一階は石造の場合が多く、開口部がアーチとなっています。
コロンバージュはイギリスに行くとハーフティンバーと呼ばれますが、テューダー朝時代に多く建てられたので、チューダースタイルとも呼ばれています。
ヨーロッパの各地で中世時代から建てられた古民家です。
アルザス地方のお隣ドイツにも美しい木組みの家が沢山ありますよね。
現在は修復、または木組みデザインを実現するのにあたり、構造材としてではなく、壁の表層に木材を貼ります。
コロンバージュについて、別ブログにても記事を書いていますので、よろしければお読みください。
パリのハーフティンバー
コロンバージュのファサードには、ル・シダネルの絵画のように、壁を這うつるバラがとても美しく映えます。
木組みの壁にからまってこぼれるように咲くつるバラを眺めながら、その前のテラスにて朝食やアフタヌーンティーをして過ごす、なんてナチュラルテイストな暮らしに憧れてしまいます。
そんなご希望を持たれる貴方のためにアトリエ アマルフィターナではコロンバージュデザインをとり入れたオリジナルな設計をご提案差し上げます。
ご興味をもたれた方はお電話、メールにてお問い合わせくださいませ。

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Rose villa resort story 3

暑い夏真っ盛りですね。
暦の上では立秋が8月7日ですから9月22日の秋分までは残暑ということになります。
こんな時期はプールにどぼーんと飛び込んで、しばらくつかっていたいですね!
(水泳は小・中学生の時スイミングクラブで鍛えたので結構得意だったんですよ・・・)
そんな、涼しくなりたい一心の心境で、今回はプールのあるローズヴィラリゾートストーリーを描きました。

rosevilla-tropesienne

舞台は南フランスはサントロペの近くのヨーロッパ地中海を見下ろすどこかを想像。
日本もセミが元気に鳴いていますが、南仏の夏も日本のセミに輪をかけて猛烈な音量でセミが鳴いています。
南フランスの色合いはパリ周辺の空の色とその下の建物や緑、草花の色合いとはがらっと変わります。
湿度を除けば、むしろ太平洋の日本の真っ青な空に近いとも言えなくはありません。
ただ入道雲などの雲はなく、抜けるようにスカッとした青空で、日本より青みのある光線がものに投じられている色合いに感じられます。
建物も北フランスのシックな色合いとは異なり、とても鮮やかなアースカラーが目を楽しませてくれます。
鮮やかな空のもとには鮮やかな色合いが映えるコントラストをなし、曇りがちな薄らいだ柔らかな空には少しトーンを落としたソフトな色やしっとり落ち着いた色合いが調和するものですね。
南フランスには海を見下ろす斜面に沿ってトロピカルな庭園に囲まれた邸宅が点在しています。
ヤシ類など南国の植物が植えられているのを多く見かけます。
そこにはやはりバラも彩度が高めの澄んだ色が映えます。
フランスのバラは混じりけの少ない華やかな色合いが多いですね。
色はいろいろ混ざるほど彩度が低くなり、渋い色や、くすんだ色となります。
バラを育てていて実感していることは、フランスのデルバール社のバラは日本の蒸し暑い気候にもかなり適応しやすいようで、春のような勢いというわけには行きませんが、夏も元気に鮮やかな色合いで青空に輝いて咲いています。
その鮮やかな二色の絞りのバラなどを見ていると、まさにポール・ゴーギャンのタヒチの世界を彷彿します。
夕刻、陽が沈んでゆく海を眺め、カクテルでも片手にバラに囲まれた小道をそぞろ歩きし、プールを前にしたロトンダからヴァイオリンの奏でる音色が微風と共に流れてくるのに耳を傾ける・・・。
そんな優雅な時を過ごしたい貴方のために、ラ・トロペジエンヌと名付け、トロピカル色のバラが咲き、滑らかな曲線使いの庭園と邸宅のエッセンスを散りばめた設計デザインをいたします。
それでは皆様、素晴らしい夏をお過ごしください。

アトリエ アマルフィターナでは、フレンチローズ、オールドローズをはじめ様々なバラやロートアイアン、トレリスなどを織り込んだローズガーデンヴィラの設計デザインのご提案をいたしております。
ご興味を持たれた方はメール、お電話にてお問い合わせくださいませ。

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Rose villa resort story 2

前回に引き続いてローズヴィラ リゾート ストーリーをアップいたします。
今回はフレンチローズが咲きこぼれる庭園を見渡すシャトースタイルヴィラ。
ロワール川流域に建つ古城巡りをした時のことを思い出しながら描きました。

french rosevilla parisienne

パリから南西に下ったロワール地方はフランスの庭とも呼ばれ、シャンボール城、シュノンソー城、ヴィランドリー城、アゼ・ル・リドー城、ブロワ城、シュヴェルニー城、ユッセ城、等々、中世・ルネッサンス期頃から建てられた珠玉の王侯貴族の城館が無数に点在しています。
それらの城を見ていると、よくあれだけ尖がったものや突出したものが屋根まわりについているなぁ、と関心します。
急勾配の屋根にドーマー窓(フランス語でlucarne)、暖炉の煙突、細かい尖塔、そして、建物の四隅に配置された塔屋の屋根が鉛筆の先のように尖っています。
ユッセ城は眠れる森の美女の舞台となったお城ですし、古城の前に佇んでいると、時空を超えて、幻想的な中世の世界に入り込んでしまったような錯覚を起こします。
そんなお城で生活してみたら面白いだろうなぁ、と非現実的な想像をしたくなります。
そしてお城には必ず広大な庭があり、たいてい建築家と造園設計家がセットで全体の設計者となっています。
フランス式庭園と呼ばれる幾何学的な庭園はルイ14世から17世の王朝時代に発展しました。
最も代表的なのがヴェルサイユ宮殿やヴィランドリー城の庭ですね。
そして、フランス式庭園において最も有名な造園設計家と言えば、アンドレ・ル・ノートルです。
この当時のバラと言えば、今日の名称でオールドローズと呼ばれるもの。
王侯貴族のポートレートの傍らに描かれているバラを見るとロゼット咲きの形をしているのに気が付きます。
フランス式庭園以降、フランスの庭園造形はいろいろ変遷してきましたが、植栽で刺繍を施したような古風な庭園はいつまでも魅力をとどめています。
ヴァリエーションにあふれた伝統的なロートアイアンワークや、洗練されたデザインのトレリスがその魅力を一層引き立てています。
アトリエ アマルフィターナではそうしたロートアイアン、トレリス、そして、フレンチローズ、オールドローズをはじめ様々なバラを織り込んだローズガーデンヴィラの設計デザインのご提案をいたしております。
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La petite Tropézienne 1

ラ・プティット・リゾート ストーリー。
petite はフランス語で「小さい」の女性形。 可愛らしいと言う意味も込めています。
このシリーズではヨーロピアンリゾートの息吹きを感じる瀟洒でコンパクトな大きさの建物のデザイン設計をご提案しています。
第2回目は ラ・プティット・トロペジエンヌ へご案内いたしましょう。

la petite tropezienne
フランスの建物を見ていてつくづく言えることは、その地の気候や採れる石や顔料が街の色合いを形成していることです。
パリを含む北フランスは一年を通すと、イギリスと同じように、雲がすっかり消え去った晴天の日はあまり多くありません。 水色の空に柔らかい光の中では落ち着いた色合いや、淡いパステルカラーがエレガントに映ります。
そして、パリからTGVで地中海側のマルセイユやニースに南下すると、一気に空や街の色合いが変わることに気が付きます。(トロペジエンヌのサントロペはマルセイユからニースに向う途中にあるリゾート地です。)
空は雲ひとつなく真っ青。 照りつける太陽。
そんな空の下、建物はコントラストのあるとても明るい色合いとなり陽の輝きを感じます。
屋根は橙からオークル、赤茶の素焼き瓦。 街中では寄棟が多いですが、カントリーサイドでは切妻をよく見かけます。 高い所から見下ろすと素焼き瓦屋根どうしがつながって、散りばめられたモザイクの絵画を見ているようです。
プロヴァンス地方では壁は明るいクリーム色が多いですが、コート・ダジュール地方に向かうほど、カラフルになってきます。 オレンジ、黄色、桃色、ザクロ色、オークル、等々。
自然な鮮やかさのある色合いですが、きつい色ではなく、陽気な雰囲気です。
内外の塗り壁の塗りムラや、経年と共に朽ちた部分などに味わいがあり、魅力を感じます。
床材のテラコッタタイルも自然で素朴な風合いにほっとした気分になります。
新建材のピカピカで完全無欠な緊張感から解放されるようです。
窓辺の鎧戸は壁の色に合わせて、補色的な色合いがきます。
鎧戸は南仏の強い光や温度を室内において調整してくれます。
南フランスは一年を通して温暖なのでリビング・ダイニング続きのオープンテラスで食事をとることが多いライフスタイルです。 パーゴラの緑やプラタナス、オリーブの木が心地よい木陰を作ってくれます。 からっと乾燥したそよ風にラヴエンダーをはじめ、豊かなハーブ達、柑橘系の木々達が爽やかに香ります。
ラ・プティット・トロペジエンヌでは、日本にいながらにして南仏はプロヴァンスやコート・ダジュール地方の建物に滞在しているかのように楽しんでいただけるよう、その特徴や風合いをとり込んだデザイン・設計をご提案しています。
それぞれ敷地固有の条件やお客様固有のご要望に合わせてプランニングいたします。
ご興味をもたれた方はアトリエ アマルフィターナまでお問い合わせくださいませ。

La petite Parisienne 1

今回はラ・プティット・リゾート ストーリーをご紹介いたします。
petite はフランス語で「小さい」の女性形。 可愛らしいと言う意味も込めています。
このシリーズではヨーロピアンリゾートの息吹きを感じる瀟洒でコンパクトな大きさの建物のデザイン設計をご提案しています。
第1回目として、ラ・プティット・パリジェンヌ からご案内いたしましょう。

la petite parisienne
まず、パリやその周辺の地方の建物の特徴についてお話します。
色合いは、外壁はクリームベージュ、アイヴォリー、屋根はチャコールグレーがベースです。 外壁はその地方から採掘されたライムストーンから成ります。 屋根はスレート瓦です。
屋根の形はマンサード屋根と呼ばれる寄棟2段勾配の構成が典型的で、急勾配の部分に屋根裏階のドーマー窓(仏語でlucarne)が設けられます。 また、l’oeil de beuf (訳すと牛の目)という小さな楕円型の窓もよくお目みえします。
ヨーロッパは北部は屋根が急勾配で、雪があまり降らない南部では緩勾配となります。 急勾配の屋根とその屋根裏はとても魅力のある空間を作り出します。 ラ・プティット・リゾートシリーズでは日本の斜線制限や高さ制限をクリアし、また予算も考慮して屋根勾配はほどほどに調整してあります。
窓については、もともと石造において日光をより多くとるため、また、天井高もあるため、細長い(縦長の)プロポーションです。 開口部上部は、やはりもともと石造故、アーチを構成していたり、中央にキーストーンが入っています。 そして、厚みのある壁の窓は内側に開きます。 日本は降雨量も多く、雨が横に降りつけ、外開きの窓ですが、ヨーロッパでは上からしとしと、まっすぐ降ってくる違いがあります。 また、イギリスや北欧、北米ではダブルハング(上げ下げ窓)がよく使われますが、フランスやイタリア、スペインではあまりファサードに見かけません。 観音開き窓の両側に鎧戸がつけられ、パリや周辺地域では2枚に折りたたまれ、壁の厚みの中に納まっていることが多いです。
窓の並ぶリズムやバランスはファサードの美観において非常に重要になってくるので、常にプランや断面と同時進行でファサードを設計デザインします。
そして窓下に華やぎを与えているのが、ロートアイアンの手摺や石のバラスターです。 ロートアイアンは繊細かつ流麗な曲線を描き、とても洗練されたデザインの職人芸の鍛鉄です。 残念ながら、コストを安くするために中国で作られるものはなかなか洗練の域には達していません。 
ラ・プティット・パリジェンヌでは、日本にいながらにしてパリとその周辺地域の建物に滞在しているかのように楽しんでいただけるよう、その特徴や風合いをとり込んだデザイン・設計をご提案しています。
それぞれ敷地固有の条件やお客様固有のご要望に合わせてプランニングいたします。
ご興味をもたれた方はアトリエ アマルフィターナまでお問い合わせくださいませ。
 

ラ・トロペジエンヌ 2

laTropezienne
トロペジエンヌとはパリジェンヌと同様、サン・トロペの人(女性)の意味です。
サン・トロペはマルセイユからニースに向かって地中海沿いに半分過ぎた位のところにあるリゾート地です。
フランス人もここに別荘を持つことを憧れるのどかな海辺の町です。
港の通りを歩いていると、桃色や肌色などの明るい色合いの漆喰壁に橙色のテラコッタ瓦の屋根の街並みが続き、抜けるように青い空と青い海にとても美しく映えます。
「ラ・トロぺジエンヌ」と名付けましたこの物語ではアーバンライフの建物に南フランス地中海の町の明るい陽光やそよ風を感じるデザインを吹きこみました。
窓辺のプランターにどの花を置こうか、などとガーデニングがいつの間にか好きになってしまう、緑や花々がよく似合う陽気なファサードです。
暖色の壁に水色やペパーミントグリーンのよろい戸、ロートアイアンが一層お洒落に引き立てます。
maison rose1 tropezienne

アトリエ アマルフィターナでは住宅、店舗等の建築において、南フランスのそよ風が吹いてきそうな「ラ・トロペジエンヌ」ストーリーにて設計・デザインのご提案をいたしております。 次の休みは海へ、などと楽しい思いを馳せたくなる外観をおつくりします。 
ご興味を持たれた方はお気軽にメール、お電話にてお問い合わせ下さい。

ラ・トロペジエンヌ

パリから地中海に向かって南下すると突然、気候や建物の色合いが北フランスから、がらっと変わることに気がつかれるかと思います。
マルセイユを中心とした周辺地域がプロヴァンス地方で、イタリア国境に向かって、ニースを中心とした地域がコートダジュール地方です。 建物の特徴は微妙に異なりますが、それはまた追ってお話しましょう。

south france color北フランスも南フランスもそれぞれの気候・風土にマッチし、その地方でとれる石材の色合いが街を彩ります。 北フランスやパリの建物はおさえたトーンの色彩で渋い美しさがあります。 屋根はスレートのチャコールグレー、壁はライムストーンのアイヴォリーホワイトと言ったように。 一方、南フランスの建物は真っ青な空のもと、陽光を一杯受けて、明るい色合いがとても陽気で美しく見えます。 クリーム色、肌色、桃色、橙色、石榴色、等々。 これらの色は天然の石や顔料の色合いなので、決して強烈に見えません。 混じりけが少なく彩度が高いですが、どこか柔らかさを感じる自然な色合いです。
こちらの写真を見ると、古い建物の味がとても良く出ています。 きれいな色合いの漆喰ですが、経年により、朽ちていたり、ガタボコしていたり、天然の石の香りがする空間です。 この中にいると古い建物の温もりに包まれているようで、ほっとして癒されます。 内部、外部共に、ざらざら、でこぼこした質感が時間の移ろう中、光によって様々な陰影をつくり、とても魅力的です。 この「洗練された田舎感」に安らぎを感じる建物が南仏にはとても多いです。 概してフランスの田舎はお洒落な印象を受けます。 ヨーロッパ全般にも言えますが。
日本の都会ではピッカピカの新築の価値が高く、古くなるほど資産価値が下がるのが現状です。 地震のある・なしや、木造と石造建築の耐用・耐久性が違う背景もありますが・・・  
アトリエ アマルフィターナでは現代生活、都会生活で失われがちな「古くなって行く良さ」を経年と共に味わえる建物創りを大切にしてデザインします。
ラ・トロペジエンヌと名付けて、南フランスの明るい陽光と色彩を感じる建物の設計・デザインをご提案しています。

ラ・パリジェンヌ

ラ・パリジェンヌ
「ラ・パリジェンヌ」と名付けましたこのストーリーにおいては、都会のコンパクトな敷地にて、凛としたエレガントな佇まい、かつ、グリーンの潤い感のある建物を意識してデザインしました。
屋根は極力緩勾配にし、地上から見上げるとモールディングだけが見える姿にしています。
フランスの建物の石積みの奥行き感が出るよう、厚めの漆喰に大きな間隔で横方向に太目地を入れています。
縦方向には細い馬目地を入れて石が交互に積まれた風合いを出します。
また、破風や窓・玄関廻りなどに職人芸である石彫レリーフが入るのも石積みの建物の特徴ですが、イニシャルの組み合わせなど、ご希望されるモチーフをオリジナルなデザインに起こして施しております。
(ヨーロピアンな漆喰と施工はゲーテハウスさんにお問い合わせください。ゲーテハウス

laprade右: A.Laprade  ’Les rues de Paris’ より
そして、もう1つ、パリの街並みを眺めていて目を楽しませてくれるのが、芸術的なロートアイアン(鍛鉄)です。 手摺、フェンスや、フランス語でマルキーズと呼ぶカフェやホテルの入り口で見かけるエントランス上部の庇などに使われます。
これらもパリで見かけるような本格的なデザインをオリジナルに起こして製作に出しております。
現代の建物に失われがちな手作り感を大切に、経年により風格が増し、愛着も増す建物となるようデザインしています。
アトリエ アマルフィターナでは住宅、店舗等の建築において「ラ・パリジェンヌ」物語として沢山のヴァリエーションを持って、設計・デザインをご提案しております。