la Parisienne 記事一覧

Rose villa resort story 2

前回に引き続いてローズヴィラ リゾート ストーリーをアップいたします。
今回はフレンチローズが咲きこぼれる庭園を見渡すシャトースタイルヴィラ。
ロワール川流域に建つ古城巡りをした時のことを思い出しながら描きました。

french rosevilla parisienne

パリから南西に下ったロワール地方はフランスの庭とも呼ばれ、シャンボール城、シュノンソー城、ヴィランドリー城、アゼ・ル・リドー城、ブロワ城、シュヴェルニー城、ユッセ城、等々、中世・ルネッサンス期頃から建てられた珠玉の王侯貴族の城館が無数に点在しています。
それらの城を見ていると、よくあれだけ尖がったものや突出したものが屋根まわりについているなぁ、と関心します。
急勾配の屋根にドーマー窓(フランス語でlucarne)、暖炉の煙突、細かい尖塔、そして、建物の四隅に配置された塔屋の屋根が鉛筆の先のように尖っています。
ユッセ城は眠れる森の美女の舞台となったお城ですし、古城の前に佇んでいると、時空を超えて、幻想的な中世の世界に入り込んでしまったような錯覚を起こします。
そんなお城で生活してみたら面白いだろうなぁ、と非現実的な想像をしたくなります。
そしてお城には必ず広大な庭があり、たいてい建築家と造園設計家がセットで全体の設計者となっています。
フランス式庭園と呼ばれる幾何学的な庭園はルイ14世から17世の王朝時代に発展しました。
最も代表的なのがヴェルサイユ宮殿やヴィランドリー城の庭ですね。
そして、フランス式庭園において最も有名な造園設計家と言えば、アンドレ・ル・ノートルです。
この当時のバラと言えば、今日の名称でオールドローズと呼ばれるもの。
王侯貴族のポートレートの傍らに描かれているバラを見るとロゼット咲きの形をしているのに気が付きます。
フランス式庭園以降、フランスの庭園造形はいろいろ変遷してきましたが、植栽で刺繍を施したような古風な庭園はいつまでも魅力をとどめています。
ヴァリエーションにあふれた伝統的なロートアイアンワークや、洗練されたデザインのトレリスがその魅力を一層引き立てています。
アトリエ アマルフィターナではそうしたロートアイアン、トレリス、そして、フレンチローズ、オールドローズをはじめ様々なバラを織り込んだローズガーデンヴィラの設計デザインのご提案をいたしております。
ご興味を持たれた方はメール、お電話にてお問い合わせくださいませ。

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La petite Parisienne 1

今回はラ・プティット・リゾート ストーリーをご紹介いたします。
petite はフランス語で「小さい」の女性形。 可愛らしいと言う意味も込めています。
このシリーズではヨーロピアンリゾートの息吹きを感じる瀟洒でコンパクトな大きさの建物のデザイン設計をご提案しています。
第1回目として、ラ・プティット・パリジェンヌ からご案内いたしましょう。

la petite parisienne
まず、パリやその周辺の地方の建物の特徴についてお話します。
色合いは、外壁はクリームベージュ、アイヴォリー、屋根はチャコールグレーがベースです。 外壁はその地方から採掘されたライムストーンから成ります。 屋根はスレート瓦です。
屋根の形はマンサード屋根と呼ばれる寄棟2段勾配の構成が典型的で、急勾配の部分に屋根裏階のドーマー窓(仏語でlucarne)が設けられます。 また、l’oeil de beuf (訳すと牛の目)という小さな楕円型の窓もよくお目みえします。
ヨーロッパは北部は屋根が急勾配で、雪があまり降らない南部では緩勾配となります。 急勾配の屋根とその屋根裏はとても魅力のある空間を作り出します。 ラ・プティット・リゾートシリーズでは日本の斜線制限や高さ制限をクリアし、また予算も考慮して屋根勾配はほどほどに調整してあります。
窓については、もともと石造において日光をより多くとるため、また、天井高もあるため、細長い(縦長の)プロポーションです。 開口部上部は、やはりもともと石造故、アーチを構成していたり、中央にキーストーンが入っています。 そして、厚みのある壁の窓は内側に開きます。 日本は降雨量も多く、雨が横に降りつけ、外開きの窓ですが、ヨーロッパでは上からしとしと、まっすぐ降ってくる違いがあります。 また、イギリスや北欧、北米ではダブルハング(上げ下げ窓)がよく使われますが、フランスやイタリア、スペインではあまりファサードに見かけません。 観音開き窓の両側に鎧戸がつけられ、パリや周辺地域では2枚に折りたたまれ、壁の厚みの中に納まっていることが多いです。
窓の並ぶリズムやバランスはファサードの美観において非常に重要になってくるので、常にプランや断面と同時進行でファサードを設計デザインします。
そして窓下に華やぎを与えているのが、ロートアイアンの手摺や石のバラスターです。 ロートアイアンは繊細かつ流麗な曲線を描き、とても洗練されたデザインの職人芸の鍛鉄です。 残念ながら、コストを安くするために中国で作られるものはなかなか洗練の域には達していません。 
ラ・プティット・パリジェンヌでは、日本にいながらにしてパリとその周辺地域の建物に滞在しているかのように楽しんでいただけるよう、その特徴や風合いをとり込んだデザイン・設計をご提案しています。
それぞれ敷地固有の条件やお客様固有のご要望に合わせてプランニングいたします。
ご興味をもたれた方はアトリエ アマルフィターナまでお問い合わせくださいませ。
 

ラ・パリジェンヌ

ラ・パリジェンヌ
「ラ・パリジェンヌ」と名付けましたこのストーリーにおいては、都会のコンパクトな敷地にて、凛としたエレガントな佇まい、かつ、グリーンの潤い感のある建物を意識してデザインしました。
屋根は極力緩勾配にし、地上から見上げるとモールディングだけが見える姿にしています。
フランスの建物の石積みの奥行き感が出るよう、厚めの漆喰に大きな間隔で横方向に太目地を入れています。
縦方向には細い馬目地を入れて石が交互に積まれた風合いを出します。
また、破風や窓・玄関廻りなどに職人芸である石彫レリーフが入るのも石積みの建物の特徴ですが、イニシャルの組み合わせなど、ご希望されるモチーフをオリジナルなデザインに起こして施しております。
(ヨーロピアンな漆喰と施工はゲーテハウスさんにお問い合わせください。ゲーテハウス

laprade右: A.Laprade  ’Les rues de Paris’ より
そして、もう1つ、パリの街並みを眺めていて目を楽しませてくれるのが、芸術的なロートアイアン(鍛鉄)です。 手摺、フェンスや、フランス語でマルキーズと呼ぶカフェやホテルの入り口で見かけるエントランス上部の庇などに使われます。
これらもパリで見かけるような本格的なデザインをオリジナルに起こして製作に出しております。
現代の建物に失われがちな手作り感を大切に、経年により風格が増し、愛着も増す建物となるようデザインしています。
アトリエ アマルフィターナでは住宅、店舗等の建築において「ラ・パリジェンヌ」物語として沢山のヴァリエーションを持って、設計・デザインをご提案しております。